就職・転職情報

看護師の転職を成功させる秘訣とポイント

「転職したいけど、今までの経験がいかせる職場ある?」

「もう残業ばかりでキツい」

「管理職はやりたくない」

看護師の仕事は好きなのに、思うように働けないな…と感じることはありませんか?

慣れている環境から抜け出すのは勇気がいりますよね。

ポイントを押さえて転職活動をすれば「こんなはずでは…」という事態は避けられます。

この記事では転職を成功させるために押さえるべき以下のポイントをご紹介します。

  • 転職の理由を明確にする
  • 希望する条件に優先順位をつける
  • 多くの求人を比較する 
  • 見学の際のチェックポイント 
  • 面接対策

転職の理由を明確にする

「もー!辞めてやる!」と勢いにまかせての職探しはおすすめしません。

早まる気持ちを抑えて冷静に分析してみましょう。

以下のポイントを素直に書き出し、可視化してみてください。

・なぜ転職したいのですか

・今の職場でつらいことは何ですか

・やりたいことは何ですか

・やりたくないことは何ですか

・今までの経験を活かしたいですか

・新しい分野へチャレンジしたいですか

・自分の目標や理想の看護師像はありますか

・近い将来、遠い将来、どんな働き方をしたいですか

自分の気持ちを客観的に見つめることで、自分が求める職場へのイメージが見えてきます。

分析せずに転職してしまうとまた同じ理由で「辞めたいなぁ」という気持ちになってしまうかもしれません。

希望する条件に優先順位をつける

これだけは譲れないという条件はありますか?

例えば「夜勤はやりたくない」「急性期はやりたくない」「お給料は〇〇以上」などです。

「絶対これは譲れない!…っていうのもないなぁ」という方もいるかもしれません。

そのような方でも「こんな仕事に関心がある」「ゆくゆくは認定看護師や専門看護師になりたい」「結婚しても働ける職場がいいなぁ」など優先したい希望はあると思います。

譲れない条件と妥協できる条件に振り分けておくと転職活動の際に迷うことが少なくなります。

多くの求人を比較する

転職先はどのように探したらよいのでしょう。

以下に代表的な方法と、そのメリットとデメリットをご紹介します。

  • 転職サイト
  • ハローワーク
  • ナースセンター
  • 直接応募
  • 知人や友人の紹介

転職サイト

転職を考えたときに思い浮かぶのは転職サイトではないでしょうか。

転職サイトは人材を募集している病院や施設からの紹介料で運営されています。

メリット

・オンラインで登録や相談ができ、忙しい中でも転職活動ができる。

・複数の転職サイトを登録することで情報が比較できる。

・非公開求人がある

・見学や面接の日程調整など病院側との調整をしてもらえる。

デメリット

・紹介料が目当ての転職サイトもあり、不利益な情報を隠したまま就職を勧める場合もある。

・転職活動を進めるための連絡が頻繁にくる。

ハローワーク

ハローワークは公的な機関であり、求職者も募集する側も費用がかからず利用しやすい機関です。

失業保険をもらいながら転職活動をする方はハローワークへの届出が必要になります。

メリット

・地域の求人が豊富にある。

デメリット

・担当者は看護に詳しくはないので的確なアドバイスを受けることができない。

・人材募集に費用をかけられない経営状態の病院や施設が多い可能性がある。

ナースセンター

ナースセンターは日本看護協会が運営する職業紹介事業です。

メリット

・看護師が担当者となるため同業者目線でアドバイスがもらえる。

・知識や技術を学ぶ研修会がある。

デメリット

・ナースセンター側から求職者への働きかけはないので自ら積極的に活動していく必要がある。

直接応募

直接応募は「この病院に勤めたい」など明確な方におすすめです。

メリット

・自分と応募先とで直接連絡を取り合うのでスピーディに進行する。

・転職サイトで発生する紹介料がないので転職サイトからの応募者と重なった場合は採用される可能性が高い。

デメリット

・見学や面接の日程などの調整は自分でしなければならない。

・働きたい病院や施設などが明確ではない場合、比較ができないため非効率になる。

知人や友人の紹介

転職サイトなどを利用せずに、友人や知人を通じて転職することも可能です。

メリット

・採用につながりやすい。

・病院内・施設内の情報が細かくわかる。

デメリット

・知人や友人から職場へ伝えてもらうことになるので、伝え方によっては過大評価されやすい。

・早期に退職しずらい。

注意点

転職サイトやハローワーク、ナースセンターなどを利用する場合でも、その病院や施設のホームページや関連施設のホームページ、患者利用者向けの情報なども確認してみましょう。

求人情報との相違がないか多角的に確認することが大切です。

ネット上に書かれている口コミなどは個人の主観ですので、見るとしても参考程度にしておきましょう。

見学や説明会でのチェックポイント

給与や賞与、公休など数字で分かりやすいこと以外のチェックポイントをご紹介します。

  • 職場の雰囲気
  • 教育制度
  • 時間内外の活動

職場の雰囲気

見学で見抜くのは難しいかもしれませんが、雰囲気は感じとれると思います。

案内や説明を受ける以外にも以下の点にも注目してみましょう。

・他職種間のコミュニケーションは円滑でしょうか。

・患者や利用者に対して穏やかな表情や言葉使いはできていますか。

・ナースステーションは清潔で整理整頓されていますか。

・医師と看護師の関係性はどうでしょうか。

見学者が来る時には言葉遣いなどを気を付ける職場もあります。しかし、ふと見える様子や雰囲気は隠せません。

教育制度

中途採用者に対しての教育や、キャリアアップ制度や研修はあるのかを確認しましょう。

人材育成に力を入れていると掲げている職場は多いと思います。研修を受ける機会はあるのか、またどのような研修が行われているのかも確認しましょう。

将来認定看護師や専門看護師を目指したいのならば、働きながら資格の取得はできるのか、条件なども確認できると安心です。

時間内外の活動

委員会、研究、研修などは時間内で行われているのかも重要なポイントです。

時間外の活動が多いとプライベートな時間が削られてしまいます。

全てが時間内の職場は少ないのかもしれませんが、どの程度なら妥協できるか考えておくことも大切です。

面接でよく聞かれる質問とその回答のヒント

経験者の面接の場合、新卒の看護師よりも少し緊張感は和らぐ傾向にあります。

今まで経験してきていることを誇りに感じつつ、謙虚に面接にのぞみましょう。

以下の4点は面接でよく聞かれる質問です。

  • 自己紹介をお願いします
  • 自己PRをしてください
  • なぜ当院を選んだのですか
  • 前職はなぜ退職したのですか

自己紹介をお願いします

フルネーム・最終学歴・職務経歴を含め、志望動機や自分の強みなどを簡潔に伝えます。

自己紹介は面接の最初に求められますので「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます」などお礼の言葉から始め、最後は「本日はよろしくお願いいたします」で締めくくります。

自己PRをお願いします

応募者の強みや性格などを知るための質問です。その強みや性格がどのように仕事にいかせるかを伝えましょう。「誰とでも話すことができる」「冷静に対応できる」など仕事にいかせる部分をPRしましょう。

なぜ当院を選んだのですか

この質問では応募者のやる気や熱意を見ていますので答え方はとても大切です。

面接先の理念や方針を理解しながら、自分の看護観や将来のなりたい姿を重ね合わせて表現できると良いでしょう。

前職はなぜ退職したのですか

応募者の人柄や仕事に対する責任感、価値観を知る質問です。

また同じような理由で辞めるのではないかという意味も含まれていますので「人間関係が良くなかった」などネガティブな答えはやめましょう。

「スキルアップ」「新しい分野にチャレンジ」などポジティブな言葉を使うようにしましょう。

まとめ

「今の職場を辞めたい!」という思いが先行してしまうと転職してもうまくいかないことが多いようです。

転職活動は少ない方がいいですよね。自分の気持ちと転職先の情報を冷静に捉えることが大切です。

現職の退職に際しても、院内の独自のルールが定められているところも多いので就業規則を確認し、円満退職をできるように手続きをすすめましょう。

地域の看護師の世界は思うより狭いです。次の職場でも気持ちよく働きたいですね。

当記事のライター:田中はる.

結婚・離婚を経験後、看護師免許を取得。
子育てをしながら総合病院で12年、有料老人ホームで5年勤務しました。
現在はフリーランスで看護学校講師やライターをしています。